このコラムをご覧になっている方の中でもダイエットにチャレンジしたことがある方は多いのではないでしょうか?
最初に言っておきます。
ファスティングだけすれば痩せれるという考えは間違いです。
確かに体に入れるエネルギー摂取量がなくなれば消費量が上回るのでおのずとその時は体重は落ちるかと思います。
ではなぜファスティングでダイエットに成功している人がいるかと言うと、
ファスティングで体重が落ちたこと以上に、その背景に
食べない期間でこれまでにない体感をしたことで、
思考が一変してその後の生活がより良い方向に変えれるようになるからです。
ただし、それにはただ断食をすれば良いのではなく、
準備食、回復食を入れた正しいファスティングをすることが前提です。
私自身、実際にファスティングと出会って食事や運動の習慣が変わった一人であります。
ファスティングを上手く味方にできれば、大きなきっかけになり、健康な体を手に入れる生活へ導いてくれます。そこで、今回はファスティングダイエットを成功させる為の方法を簡単に2つのポイントを抑えてお伝えしたいと思います。
1.準備食と回復食の期間を必ず設けて、食と向き合う時間を作ること
●初めてやられる方は、食べない断食期間が一番気になってしまうところですが、実はこの時間を楽にスムーズに過ごせるようにするための準備食期と頑張った断食を効果的に維持しようとする回復食期があることで、強制的に食と向き合う時間が作られるようになり、気付かされることがたくさんあります。
準備期では、腸内を荒らしてしまうようなグルテン・動物性の食品は避けて、血糖値を安定させれるような低GI値の食品をメインにします。
又、精製された白砂糖や白米でなく、少ない量でも栄養価の高い食品を選ぶようにします。
胃腸に負担がなく消化に良い栄養価の高いもの、準備食と同じく低GI値食品、腸内をより良くする発酵食品などを意識します。
これまでも良くしたいとは思っていても出来なかった食生活を自然に見直すきっかけになります。
●私自身もこの期間があったことで食品の裏の原材料見るようになりましたし、自分からその内容も調べるようになりました。
そうしたことで、今まで食べていたものや調味料など、体にとっていらないものを知らないうちに体に入れていたことにも気付かされました。
2.断食中~回復食の間、五感で感じながら体と向き合うこと
断食中は体の細胞一つ一つ古くなったものは排出、修復されたりと、体内は休めると言うより、生まれ変わろうと活発になります。
なぜなら、私が長年エステティシャンとしてお客様のボディケアをしてきていますが、マッサージをしていてむくみや肩が凝っているのに自覚がない方や、逆にそんなに凝ってないのに凄く辛くて凝っていると感じる人も意外にいます。
これって、自分の脳と体が一致してなくて鈍感になってしまっているんです。
そうなるとどうなるかと言うと、自分の本当の体の異変に気づけなくて、病気になってから気づいたり、何もしてないのに体重が増えてたとか、なぜか体重が減らないという結果に陥ります。
食べ続けた生活をしていた人が、断食して最初に言われたのが、久々にお腹の鳴る音を感じたかもしれないと言っていました。
外に向いてた脳を内側に向けることで良い意味で敏感になり、気づける自分になります。
ちなみにこのお腹がグーっと鳴る音は、脳に食べろとホルモンが司令を送っているサインになるのですが、本来は体は望んでいるわけでなく、むしろ空腹になることで若返りのホルモンや成長ホルモンと呼ばれるホルモンが活性化されて若返りスイッチのようなものになります。
空腹時間をできるだけ伸ばしたほうが体は本来喜ぶわけです。
それは、長時間の断食したときに体や肌の調子の良さを、体感で感じることができれば納得です。
私も自分自身の断食やお客様をサポートしてきて思うのが、共通して普段から食に気をつけている人は断食中辛くなく楽に過ごせていたり、効果も出やすい傾向にあります。
反対に食を断つことによって、断食中だるさや、眠気が強く出た場合には、普段から糖を多く摂取する生活をしていると急に体内の糖が減ったときに、脂肪をエネルギーにシフトチェンジすることがスムーズに行かずに辛くなってしまいます。
又、元々老廃物が体内に多く蓄積されていた場合も辛く感じてしまいます。
そうすると、これまでの自分の生活の悪さにも気づけます。
そんな方でも、食を見直して二回目のチャレンジには楽に過ごすことが出来ていました。
断食中の反応は良いも悪いも体感として自分自身の体を知ることができます。
眠りや目覚めが良い、肩こりが解消されたなど、変化を体で実感することで、食べなくても平気でむしろ疲労が取れて若いときのパワーが戻ってきたような感覚を味わえるので、体感から思考も変えることができるのは大きな収穫です。
そして、マイナスしたことにより、次のプラス、つまり体に入れる食の大切さをより知ることができます。
回復食期間に入ると、よく言われるのが、少し食べただけで満腹感があって少食効果を実感します。
以前は苦しくなるまで食べ続けていた人も、体が軽く調子が良くなった感覚を覚えると、自然と食べ過ぎも抑えられます。
そして、少しでも食べると体が重く感じやすくなるので、体内で消化に使うエネルギーがどれだけ使われているかも実感できるかと思います。
これぞ、脳ではなく体の声を聴いて、食べるのか食べないのか、食べる種類も体の感覚で選ぶようになるということです。
他には、実践した人からも味覚の変化についてよくお声を頂きます。
固形物を摂らない期間を作ることで、味覚がリセットされて素材そのものの味を感じることができるようになります。
これには、味蕾と言われる舌にある細胞が修復されることや、味覚を電気信号として脳に伝える神経伝達がスムーズになることが理由として考えられています。
特に断食後の最初の食事でお勧めしている昆布の出汁だけで煮るスッキリ大根は、大根がじゃがいものように甘く感じたり、体に染みるほどの美味しさを味わえます。
私もその味に衝撃を受けて今でも忘れられず記憶に残るほどです。
そして同時に、毎日当たり前のように食べていた生活も食への有り難さを感じることが出来ます。
私はファステングをきっかけに、一つ一つ食事を噛み締めながら大切に食べるようになりました。
味覚が敏感になり大切に食べれるようになると、どか食いが減って、味の濃いものや甘すぎるもの、脂っこいもの、加工品や添加物があるものが美味しいと思えなくなりました。
結果、自然と体に必要ないものは遠ざけることになり、ダイエットにも繋がるということです。
更に、結果的に断食は体重や見た目が変わりやすく実感しやすいので、その後のやる気スイッチも入りやすくなります。
何年も履けてなかったズボンが履けたり、肌艶良くなってスッキリした自分に「私でも変われる!」「もっと綺麗になりたい!」と、気持ちも前向きになれます。
ファスティング期間を達成できた自分にも自信が付きます。
よくファスティングをしたきっかけで、運動や筋トレなどを始める人もいたり、体が元気でパワーがみなぎるとやりたかったことにチャレンジする人も多いです。
体だけでなく、体が変われたことで思考まで変えてしまうファスティングは本当に凄いと思っています。
ファスティングでダイエットをしたいと思う方には、あくまでも鈍感になった脳や体を、ファスティングによって味覚や体内をリセットすることにより、結果、痩せやすい体や思考が習慣化されてダイエットに成功すると思って頂くのが良いです。
なのでただ体重が減るのでなく、それ以上に、体にとって良い影響を与えるほどファスティングはとっても奥が深いのです。
断食をやってみて体の調子が良くなるとまたやりたくなり、はまる方も多いです。
その時にやりすぎないことです。
ダイエットを目的としている方で、特に平均体重がかなりオーバーしている方ほどこれまで太る原因になっていた習慣を変えるのはなかなか難しくなります。
8日間ファスティング期間を定期的にやるのがお勧めですが、間は一ヶ月半空けてからまたファスティングを開始するペースが良いです。
なぜなら、断食中は最低限の栄養だけで過ごします。
体が省エネモードとなり、少ないエネルギーで持続できるようになる反面、大きなパワーが作りにくくなる可能性があることと、
とくに生理がある女性は、鉄不足や栄養不足になりやすくなってしまう為、基本の8日間ファスティングの場合、生理周期に合わせて最低一ヶ月半空けるのが目安となります。
これも個人差がありますので、自分の体調に合わせて行うのが良いです。
まずはマイナスである正しいファスティングをして、心とカラダの変化をしっかり五感で感じ、マイナス以上にプラスの食と向き合いながら行ってみてください。
回復食に関しては、食べない期間を頑張って乗り越えて、軽い体を手に入れたことでこれを維持したい、元に戻りたくないなど、心身ともにリセットされ、その後体に入れる食品は、自然と気をつけるようになります。